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No.1営業ウーマンの「朝3時起き」でトリプルハッピーに生きる本

No.1営業ウーマンの「朝3時起き」でトリプルハッピーに生きる本』 森本千賀子 著

 No.1営業ウーマンの「朝3時起き」でトリプルハッピーに生きる本

 

NHKのプロフェッショナル仕事の流儀にも昨年出演された、リクルートエグゼクティブエージェントの森本千賀子さんの著書。先日ある会で森本さんとお会いする機会があり、森本さんが自己紹介をされていたときに、こういう本を出してますとおっしゃっていたので、その場でスマホからAmazonでチェックして購入。いいなって思ったものはその場ですぐに行動。スマホの普及でそれがすぐに出来るようになったっていうのはありがたい。

 

朝3時起きというタイトルからもわかるような目立った行動力だったり、表情から醸し出されるポジティブな雰囲気だったり、できる営業の要素を兼ね備えている方だ。さらに、子育てと仕事をきちんと両立し、ワークライフバランスをはかっていることが本書からはよくわかる。これを成し遂げられている大きな要因の一つは、森本さんが時間を有効に活用しているからで、特に朝早くに起きてその間に様々な仕事をこなすというのが大きいのだと思われる。朝は何かに邪魔されないことが多く、集中できる時間だ。朝に英語のレッスンをレアジョブで受ける人もそうだが、朝は起きれば毎日きちんと時間を確保できるので長続きさせることが出来る。本書の中に「経営者が朝型の会社は伸びる」という一節があった。今は8:45くらいに出社しているが、もう少し早くに出社するようにしてみようかと思う。

 

本の中に、「契約にはモンブランのボールペン、名刺には香りをしのばせて」ということが書いてあった。お客様が契約書にサインする際には、自分の大切なボールペーンで書いてもらう。そんな粋な演出が出来るのってさすがだ。また、名刺にも香りをつけているんだそう。交換した名刺を嗅いでみたら、ほんのり香りがする。交換したときは気付かなかったんだけど、こういうさりげない心遣い、工夫ってすごい。営業の本にはよくこういった独自の工夫が書かれているが、自分も何か工夫して独自のものを取り入れられるようにしていきたい。

普段の仕事で活用できる細やかな気付きを与えてくれる本だ。


グローバル思考の英会話

グローバル思考の英会話」 ウィリアム・A・ヴァンス 著

 グローバル思考の英会話

 

この本はとても良い。ビジネス英会話を学びたい、という人にはとってもオススメだ。「ビジネス英会話」とはどういうものか、ということが手に取るようにわかる。本の中身をざっと紹介してみたい。

 

1章 これから話すことが100倍よく理解される技術

まずは大前提となることだが、ビジネスで大事なこと。それは、相手に聞いてもらえるかどうか、理解してもらえるかどうかである。相手の興味をひく形で話す必要がある。次に話の中でロードマップ(My talk is divided into three parts. First we … など)を示していく必要がある。そして、話の筋道を表す標識の役割(In my view, In additionなど)が文中に使用されているとわかりやすくなる。この3つを英語で意識しながら話していくために有用なフレーズも載っている。

例えば、相手が理解に苦しんでいると感じたときは、
・Let me put it in another way.
・The point I’m trying to make is …
というフレーズを使うことが出来る。

話の方向を明確にし、論理展開をきちんと提示することで話全体がわかりやすくなる。そこまで難しいフレーズが多いわけではないので、しっかりと覚えて積極的に使っていき、コミュニケーションを円滑にしたいところである。

 

2章 優れたビジネス英会話はピンポイントする単語から生まれる

ビジネスではあいまいな表現は避けて正確な表現をしたほうがよい。例えばグラフの説明をする場合でも、増加する、減少する、という言い方にもいくつかある。Go up, rise, increase / go down, fall, decrease, decline. 表現にバラエティを出しながら説明すると、丁寧にデータを描写している印象を与えるので説得力が増す。もちろん洗練さも増す。増減の度合いを形容詞を付けて表したり、一語で表わせるとさらによい。例えば、rise quickly, fall sharply / soar, plunge などである。また、変化の度合いも3段階程度(small, moderate, big のように)で適切に用いることができるとよい。変化の状態、度合い、スピード、頻度を正確に表現できると伝わりやすくなる。

ピンポイントで描写する動詞は、因果関係を説明する場合に役立つ。Caused, resulted in, led to, produced, influenced などだ。例えば次のAとBの文、どちらも意味がわかるものだがBのほうがより明確になる。

A: Our web advertising campaign made an increase in customers. The large number of orders made a shortage of shirts.
B: Our web advertising campaign led to an increase in customers. The large number of orders resulted in a shortage of shirts.

こういう動詞がきちんと使えるようになると、ビジネスパーソンとして、より洗練された表現になっていく。

 

3章 スピーキング上達の基本はスタイルだ

スピーキングを行うにあたって、一番大事なことはなんだろうか。私は、個々の発音ではなく、音の抑揚などのイントネーションだと思う。例えば、中国語のモノマネをしてください、と言われたら、あなたはどうしますか?テレビで芸能人がやるように、個々の単語や発音は知らないけれども、なんとなくのイントネーションでモノマネをすることができるんじゃないだろうか。英語のスピーキングにおいても、まさにそのモノマネが一番重要だと思う。本章では、これと同じことが書かれており、下図のようなピラミッドで、イントネーションが基本となるスピーキングスタイルから成り立っている。このスピーキングスタイルを意識すれば、必ずやスピーキングは上達していくでしょう。そういえば、中学校の英語教育では個々の発音を重視されてたなぁというのを思い出し、英語発音教育のやり方自体を変えないといけない、そう感じる3章の内容。

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4章 感謝される最高の聞き手になろう

コミュニケーションを取る上で、きちんと聞くということは重要なことだ。その際に必要となるのは相手に聞き返すこと。合図する(So, you seem to be saying that… など)、要約する(You mentioned that… など)、確認する(Did I get your key concerns? など)を行うと情報の欠落や誤解が少なくなる。きちんと、質問、確認をしていくことはビジネス会話ではとても重要だ。

 

5章 英語の選び方であなたとあなたの会話は成功へと導かれる

この章では、好印象を残すという一歩上の技術について説明されている。何に気をつけるか、それは主語が”I”なのかどうかだ。

A: I want to serve strawberry cake.
B: It would be nice to have strawberry cake.

A: I can arrive at 8pm to help with the preparation.
B: It’s convenient if my part in the preparation begins at 8pm.

AとBの文、同じことを言っているのだが印象ががらりと変わる。Aは”I”に主眼が置かれているため、自己中心的というネガティブな印象を与えかねない。一方で、Bの文は協調性を示すような洗練された構造になっている。高度な技術だが、うまく用いることができればビジネス英語のレベルは一つ上がる。

上記よりも、簡単に好印象を残すための方法がある。それは「相手の名前を入れて呼びかける」ことである。科学的にもその効果が実証されているという。あるとき、フィリピンで食事をしていた際、一緒にいた人がウェイターの胸についていた名前のバッジを見ていて、次にそのウェイターが来た時に、”Give me water, Mark.” というように、名前を入れて話しかけていた。その時、相手に何で?と聞くと、その人は、「相手の名前を入れて呼んだ方が、働いている側は気持ち良くなるから、出来るだけ名前で呼ぶようにしている」と言っていた。まさにこのことを普段から実践していたのだ。

最後に、もう一つ好印象を残す(ネガティブさを消す)方法がある。それはネガティブな表現をポジティブに変えることである。notやcan’tを使わずに別の表現にする。

A: I could not remember his phone number.
B: I forgot his phone number.

A: Our office does not have a printer.
B: Our office lacks a printer.

A: You didn’t answer my question.
B: My question was unanswered.

AとBの文を比べると、同じことを言っているのに、Bではポジティブになっている。少々難しい技術ではあるが、これを使えるとよりよい印象を与えることができる。

  

この本に書かれていることは上記のようなことだが、まさにこれがビジネス英会話である。全てをいっきに実践するのは難しいかもしれない。少しずつ学習し、身につけていこう。そして、レアジョブでこの実践練習をして、レベルアップしていこう。


セカンドマネーを創りなさい!

セカンドマネーを創りなさい! 瀧本憲治 著

 セカンドマネーを創りなさい!

 

先日お会いした瀧本さんから出来たてほやほやの本をいただいた。瀧本さんは現在、様々な投資を行っていて、UBI株式会社の副社長であり、maneoの株式99%を買い取り黒字化させたりしている敏腕投資家だ。そんな瀧本さんの投資運用方法の考え方と実践方法についてこの本では書かれている。面白くてさっと読めて勉強になった。

 

投資には大きく2パターンあり、インカムゲインを狙うものと、キャピタルゲインを狙うものがある。インカムゲインとは株式の配当や貯金の利息、不動産賃貸料などだ。一方でキャピタルゲインとは、株式や不動産の売買などをしたときの差益だ。インフレ期であれば、土地の値段が上がり続けるのでキャピタルゲインを狙ってもよいが、デフレ時代ではそれでは大きな損失をこうむりやすい。キャピタルゲインは運に頼る部分が大きいので、時間を味方にするインカムゲインの方が何倍も確実にプラスの利益をうむ。だから、インカムゲインを考えましょう、というもの。

 

インカムゲインをうんでいくためには、どういったことをすればよいのか、具体例を元に書かれていてわかりやすい。サラリーマンが会社からもらう給与以外に、自分で何かしらの資金を得ていくというのは重要なことだと思っている。それは本業にもいい影響を与える。有効活用できていなかった時間が、例えばアフィリエイトのためにサイトを作るとか、不動産投資のための勉強をして実際にやってみるとか、有効に活用されるから。またうまくいけば、経験にもなるし、心にも余裕がうまれるだろう。



ヤル気の科学

ヤル気の科学 行動経済学が教える成功の秘訣」 イアン・エアーズ 著
 ヤル気の科学

 

本屋でこの本を見た時、帯には、「試験勉強、ダイエット、禁煙、英会話・・・すべてに応用可能!」と書いてあった。すぐに購入。行動経済学はサービスにも活用できて、面白くて好きなので、こういった類の本は大好きだ。 さて、結論から言うと、この本には語学学習を続けるためにどうしたらよいかという解は書かれていない。しかし、そのヒントとなる実験結果はいくつか書かれていた。行動経済学は、通常のビジネスと同じく、仮説検証の繰り返しでわかってきたことだ。

 

例えばこんなことがわかっているので、その考え方を英語ビジネスに利用していけるのかもしれない。

 

厳しい鞭で成果を出させると、行動変化は長続きせず、反動が起きる
 ダイエット実験にて、減らないと高額罰金というようなものをすると、通常より痩せたけれども、その実験が終わった後のリバウンドも大きかった。厳しすぎるコミットメント契約だと、長続きさせるのは難しいようだ。

損失フレームでは、人は高リスク戦略を選び、利得フレームでは低リスク戦略を選ぶ
伝染病が蔓延していて600人が死ぬといわれているとき、どちらの方法がよいかという実験が行われた。一つ目は、療法Aを使うと、400人が死ぬ。療法Bを使うと、確率1/3で誰も死なず、確率2/3で600人全員死ぬ。こういう損失を受けるというフレーミングをされた聞かれ方をすると、どちらも助かる期待値は同じだが、78%の人はリスクの高い戦略である療法Bを選んだ。次に、療法Aを使うと、200人が助かる。療法Bを使うと、確率1/3で600人全員が助かり、確率2/3で誰も助からない。この場合は、利得を受けるというフレーミングをされた聞かれ方をしたので、72%の人がリスクの低い戦略である療法Aを選んだ。同じことを聞く場合でも、損失を強調するのか、利得を強調するのかで、何を選択するかの確率は大きく変わってくる。言い方次第で大きく誘導できる可能性があるということだ。

現金よりも有形財やサービスのほうがヤル気が出る場合もある
2$の現金が必ずもらえる場合と200$相当の豪華食事券が確率1/100でもらえるくじでは、84%で後者が選ばれた。一方これが現金200$が確率1/100でもらえるくじとなると、65%になるという結果があった。現金なら食事もできるのだが、普段買わないような豪華アイテムがあるとそちらを選びたくなる、という心理が働くようだ。

社会的文脈が大事:自分と似た人が成功していると知ればうまくいく
ホテルのタオル再利用でいい例がある。ホテルで「環境保護のためタオルの再利用にご協力ください」というカードがあった場合と、「お客様の75%がタオルを再利用なさっています。あなたもご滞在中にタオルを再利用して、環境を守りましょう」とあった場合で、後者の方が再利用比率は26%も高かったという。「みんなやってるよ」だからあなたもやりましょう、というメッセージはとても強力なことがわかる。この考え方は色んなところで使える。

意識化フィードバックを与えること
体重を定期的に測る人のほうが体重を維持しやすいという傾向がある。数値を見える化して意識させると、それだけで効果があるということ。

適切な目標を設定すること
全くできない目標でも、簡単な目標でもなく、適度な目標を立てることができると、最も効果が高いということがダイエットや論文校正の実験からわかっている。仕事や学習で適度な目標を設定することの大事さにつながること。

見かけ上進捗しているのを示す
来店でもらうスタンプで10個のスタンプを集める、というカードがあったとき、普通に10個のスタンプを押すものよりも、最初の2個が押されていて計12個になっているカードの方が効果はあり、早く達成された。また、スタンプが集まってくると、次のスタンプまでの間隔も短くなったという。これは、ポイントのようなものを考える上では参考になる動きだ。

コミットメントは本気かどうかを試すふるいわけ装置になる
もう浮気はしない、という夫に対して、今度不倫をしたら妻の財産の取り分を増やすという契約書をさせると、誠意のフィルターとして機能する。

自制心は限られたリソースでもあり、使いすぎると枯渇してしまう
やりたいことを我慢させると、自制心のリソースを使ってしまい、次に行う自制心を要する仕事で効率が落ちるという結果がある。むやみに自制心を必要とするような行動を強要すると、他のことに影響が出るようだ。もともと喫煙する人に禁煙を強要すると、他の部分に影響が出るのだろう。

 

こういった様々ある結果をうまくサービスに組み入れていく。組織に取り入れていく。こういった実験結果をしっかりと取り入れていくことが出来ると、よりよくなっていくのだろう。


英語のことわざで覚える英会話100

英語のことわざで覚える英会話100」 晴山陽一 著

 英語のことわざで覚える英会話100

普段、英語で話すときは日本語の直訳をすることはない。どういったことを言いたいのか、言い換えて英語のわかるフレーズに直す。ただ、その手法が通用しにくい場合がある。それは、ことわざ。ことわざのように、一つの文それ自体で意味が成り立っているものに関しては、そのまま覚えるしかない。普段はそういう表現を使う必要はないけれど、ちょっと粋な表現にしてみたいなと思うときのために、知っておいて損はない。

 

例えば、

 

「類は友を呼ぶ」

 

これを英訳せよ、と言われたら、ちょっと難しい。意味を英語にすることは出来ても、ちょっと知的な表現にするのは難しい。

 

Birds of a feather flock together.

 

これが正解。こんな例が多数載っていて勉強になる。

ちょっと知的な表現を勉強したい、使ってみたい、そんな方にオススメの本です。


トップ1%の人だけが実践している思考の法則

トップ1%の人だけが実践している思考の法則』 永田豊志 著

 トップ1%の人だけが実践している思考の法則

新しいイノベーションを起こすための基本的な考え方とその実例を書いている本。考え方の基本を5Aサイクルと名前をつけている。その5Aとは、

Awareness 認知
Approach アプローチ
Action 実行
Analysis 分析
Adjustment 適応

この5つである。まずは顧客の問題を認知する。次に顧客の問題を異なるアプローチで解決する。そして実行する。そして仮説の予測との違いを分析する。最後に顧客の求めに応じて適応する。これを繰り返すというもの。こういった流れでイノベーション、新しい商品・サービスを生み出すことができますという本だ。このアプローチ自体は目新しいものではなくて、「リーンスタートアップ」などの考え方そのものだ。それをかなり簡単に、比較的幅広い読者がわかりやすいような日本語に直しました、という感じの本。

ほとんどの内容は別の本で見たことある内容であったので、個人的には目新しさは少なかったが、色んな本の内容を集めてわかりやすく書き直す、という手法で別のターゲットに対して本が売れるんだな、と感じる。それともう一つ、まさにこういった本でレアジョブのビジネスモデルが取り上げられるようにならなければいけないな、と感じた。


リバース・イノベーション ~新興国の名もない企業が世界市場を支配するとき~

リバース・イノベーション
Vijay Govindarajan and Chris Trimble 著

 リバース・イノベーション ~新興国の名もない企業が世界市場を支配するとき~

 

イノベーションは一般的に先進国から新興国に流れる。そのため、先進国の多国籍企業がモノを新興国に売ろうとする時、ローカライズをして売ればよいと考えられていた。すなわち、グローカリゼーションでは、富裕国の顧客向けに開発されたグローバル製品にわずかな修正を加え、主に機能を落とした低価格モデルを輸出するだけで新興国市場を開拓できると考えられていた。しかし、これは誤りであり、富裕国で有効なものが自動的に、顧客ニーズがまったく異なる新興国市場でも幅広く受け入れられるわけではない。逆に新興国で最初に採用されたイノベーションが、富裕国に流れていくというリバースイノベーションが起こっているのである。そんな実例が本書では紹介されている。

 

例えばゲータレード。これは、インドにおけるコレラ患者への治療法が起源になる。それがゲータレードへと進化していった。その他にもコンピューターのマウス、メキシコにおけるP&Gの女性用ケア用品、トラクター、インドにおけるGEの心電計など多数の例が出てくる。どのようにして新興国でイノベーションが発生し、それが富裕国に流れていったかを垣間見ることができる。

 

富裕国と新興国では5つのニーズのギャップがある。性能、インフラ、持続可能性、規制、好みのギャップである。新興国と富裕国ではここの差が激しい。そのため、白紙状態で考える必要がある。新興国は価格が安くて市場としては小さい、そう思いがちだが新興国にはとてつもなく大きなチャンスがある。また、新興国でイノベーションを行う企業が勝ち、単に輸出する企業は負ける。さらに、イノベーションで負けると、そのイノベーションが富裕国に流れ、さらなる大きな痛手を食らうことになる。

 

富裕国ではニーズが小さすぎて無視されていた取り残されていた市場が、新興国ではマス市場である。そのため、新興国で起きたイノベーションが富裕国の取り残された市場に流れ、それが次第に性能を上げ拡大して市場を占有していく。そのような流れが起きるのがリバースイノベーション。

 

本書では、大企業がリバースイノベーションを可能にするマネジメント体制、組織体制についても論じられている。まだ新しい考え方ではあるだろうが、とても興味深い。少々難しい部分も多いが、面白い本。


コンセプトのつくりかた

コンセプトのつくりかた 玉樹 真一郎著

 コンセプトのつくりかた

 

Wii のコンセプトを作った人が書いた本である。コンセプトを作り上げるためには、どのような方法で作っていけばよいのか。そして、何に気をつけていくと作っていくことができるのか。そんなことが書かれている本である。

 

まず、コンセプトとは何か。コンセプトは以下のようなものである。

コンセプトは、
・ものづくりの一部
・世界を良くする方法
・あなたがしあわせに生きられる方法
・母国語を用いた文字20字程度の言葉
・未知の良さに形を与えたもの
・ビジョンの集合体から生み出される
・アイテムの集合体によって伝えられる
・何を用いて、何をしたいか

 

この中でも、「未知の良さ」というのがポイントの一つになる。性能が良くなったとかは、既知の良さ。未知の良さはまだ世の中の人が気づいていない良さのこと。だから、そのビジョンを語っても否定されることが多い。でもそんな否定される多数のビジョンを集めることはコンセプトへの近道になっていくのである。

 

さて、ものづくりにおいては、4つの原理がある。

「すきになる」
生きるあなた 未知の困難を極める冒険を薦めるための原動力
 
「かわる」
コンセプトワークするあなた 未知という存在を認められるよう、変化する勇気を持つ
 
「わかる」
プレゼンするあなた コンセプトが世界を良くする方法であり、皆が幸せになる方法だとわかってもらう
 
「できる」
プロジェクトを行うあなた  コンセプトを信じ、知恵を出し続けて良いものをアウトプットする

 

この4つが揃うと、良いものに近づいていく。あとは苦しいけれども信じて行っていく。どうやっていけばいいのか、具体的にはどんな感じになるのかについては、
「ゲーム人口の拡大を新しい据置型ゲーム機の開発によって達成せよ」
という例をもとに、
「お母さんに嫌われないゲーム機」
というコンセプトが出てくるまでを本書では示している。

あるミッションを達成するためのコンセプトワークを成功させるための参考になる本だ。


ミッション 元スターバックスCEOが教える働く理由

ミッション 元スターバックスCEOが教える働く理由』 岩田松雄著

 ミッション 元スターバックスCEOが教える働く理由

 

スターバックス、ボディショップの社長を務めた岩田さんの本。私たちは何のために働いているのか?を問いかけている本。ミッションが大事であり、それが原動力になる。7つの習慣の原則と同じ概念。

 

ミッションをベースに考えると、企業で働くにあたっては、企業にはどんなミッションがあり、それを心から意識しているのか、ということが問われる。また、企業は社員を大切にしないとミッションを達成することができない。ミッションを達成させるために、スタッフにミッションを徹底教育し、権限委譲’をして、その実現のための自主性と創造性を発揮してもらうとよい。そうすると、マニュアルだけでは対応できないことができる。そのエクスペリエンスに価値があり、ミッションがあるからこそエクスペリエンスが生まれる。

 

この本ではミッションをベースにすべて語られているが、それを表す良い質問がこれだ。

「もし起業するのなら、あるいはどこかの会社を経営者として任されるのなら、どんな会社を作りたいですか?」

この質問への回答、いろんなものがあるだろう。ミッションを意識したときの一つの回答はこちら。

「社員が宝くじで3億円当たったあとでも働き続けたいと思う会社を作りたい!」

これは働く動機がお金じゃなくて別のところにあるということ。これが会社の真の存在目的であろう。会社はある目的を達成するためにあり、それを達成させるために人が集まり、組織が構成されていく。理想のようでもあるが原点でもある。


柳井さんの著書「現実を視よ」

現実を視よ」柳井正 著

 柳井さんの著書「現実を視よ」

 

ユニクロ 柳井社長のこの本、とてもオススメだ。柳井さんの凄さがストレートに伝わってくる。言っていること、納得できることばかり。

冒頭から日本に対する危機感で始まる。日本は破綻寸前だと。累積債務はGDPのおよそ2倍に膨れ上がり、税収よりも大きな額を、国債を発行して調達している。約40兆円の税収で90兆円以上を支出する国家は明らかにおかしい。日本国債が売り浴びせられたら、ギリシャと同じことが起こると・・・だから、我々の意識と行動は変わらなくてはいけない。

どう意識が変わる必要があるのか。グローバルマーケット、アジアで戦っていくことの重要性、そしてそのためには社内の英語化も必要。経営者の視点から国の政治を見るとどうなるのか。理想を持って戦っていくこと。

柳井さんは日本を想うからこそ、辛辣で率直な意見、解決法を書いている。政治を考える人にはぜひこの本を薦めたい、そう思う一冊。


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