英語学習には机上の学習より実践の学習が良いという研究成果
イリノイ大学シカゴ校とジョージタウン大学医療センターの研究によって、次のことが明らかになったという。
外国語学習においては、学習をしない期間は必ずしもマイナスになるわけではない。それよりも、学習の効果はその勉強スタイル、机上での学習か実践での学習か、により大きく左右される。文法読解などの机上の学習ではなく、会話練習など実践的な学習を行ったほうが、ネイティブスピーカーと同じように脳を使い外国語を話せるようになる。
机上の勉強でも、実践の会話での勉強でも、どちらの勉強スタイルにおいても、同じ程度の言語レベルまで上達していた。しかし、脳を分析すると、実践的な会話での学習を行った人たちは脳の使い方が異なり、ネイティブスピーカーと同じような言語処理のしかたをしていたという。実例で言いかえると、机上の勉強でも会話中心でもTOEIC LRのテストでは同じ得点が取れる。しかし、いざ実践となると机上の勉強組と実践の勉強組では全くアウトプットが異なる。さらに、数か月間勉強のブランクが空いた場合でも、実践での学習組は脳の言語処理パターンは変わらなかったという。一度覚えるとその処理方法は忘れにくく、すぐに上達するような仕組みになっているということだろう。
これ、凄い研究成果だなと思います。もっとこれが理論的に成熟していくと日本の英語学習スタイルはどんどん変わっていくのではないかなと思う。現在の机上での文法中心スタイルから、会話中心での勉強スタイルへ。脳の言語処理を変化させることで、英語で考えられるようになり上達が早く、かつ、忘れにくくなる。一度自転車の乗り方を覚えれば、1年乗ってなくても乗れるのと一緒だ。速く走るようにトレーニングするのは乗り方を覚えた後。自転車に乗れないときから速く走る方法を勉強する、というのはないだろう。上記のリンクは論文のサマリーだが、元の論文を早速読んで、深く理解してみたいと思う。大学の研究論文を読むって懐かしいなぁ。