アーカイブ ‘ 2012年 8月18日

生産性をあげるコミュニケーション

コミュニケーションが大事だとはよく言われることだ。ではどういったコミュニケーションが高業績に導くのか。チームのコミュニケーションを研究した結果、以下のようなコミュニケーションをしていることがわかったという。

 

・チーム全員が平等に話したり聞いたりする機会がある。また簡潔に話をすることを心がけている。
・メンバー同士が顔を向き合わせてコミュニケーションをし、会話や身振りに熱意がある。
・各人が、チームリーダーを通してだけではなく、他のメンバーとも直接つながりがある。
・秘密事項や内輪話をチーム外に漏らさない。
・折に触れてチーム活動を中断し、チーム外の情報を持ち帰ってくる。

 

ちなみにデータからは個人の論理的思考や資質チームの成功に果たす役割は、想像よりはるかに小さいんだそうだ。なんだか、納得する。これを考えると、優れたチームを築くための方法としては、聡明さや実績からメンバーを選ぶより、チームのコミュニケーションの特性を調べて、成果につながるコミュニケーションを実践するよう導いていくことがよいのだろう。

 

チームの成果を左右する3つのコミュニケーション要素

チームの成果を左右するコミュニケーション要素の三つは、コミュニケーションの熱意チーム全体への関与チーム外への関与、ということが調査の結果わかったとのこと。

 
コミュニケーションへの熱意は、メンバー同士のやりとりの回数と性質をもとに測定することができる。対面での会話が最も良く、次いで電話やテレビ会議。電子メールは最も効果がない。回数に手段をかけて重み付けしたものが熱意度として考えることが出来る。

 
チーム全体への関与においては、チームの全員が各メンバーとの間で均等に熱心なコミュニケーションをしているかどうかが重要となる。リーダーとメンバーだけなど、一部のメンバー同士でのみコミュニケーションが活発であってもダメである。チームで均等にコミュニケーションが行われているのかどうか、図示されるとよくわかる。

 
チーム外への関与においては、チーム外とコミュニケーションを行うこと。それによって新たな発見が生まれアイディアが集まる。

 
これら3つの中でも、特にチーム内での対面でのやり取りの回数によって、チーム業績の差が出るという。この研究成果には納得する。ただ、これだけが真実だとすると、遠隔でチームを組んで成果を出していく、というのはとてつもなく難しいことになる。実際難しいと思う。遠隔でやってうまくいくパターンは、相手に期待する成果物をきちんと定義し、明確にして渡すという場合。しかし、チームで何か新しい一つのことを目指す場合、往々にしてその成果物をきれいに定義してわけることは難しい。その成果物自体が刻一刻と変化していくものだから。そこが国をまたいで一つのプロジェクトとして、共通のゴールに向かってすすめようとするときの難しい点だ。でも、それを行ってもパフォーマンスが通常と変わらない方法を作り上げることができれば、それはすごいことになるだろう。


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