アーカイブ ‘ 2012年 7月

高校野球から学ぶ組織戦略

母校開成高校の高校野球、東東京大会予選を見に行った。
初戦を突破し、2試合目。相手は国学院。

9回表に2点取って逆転し、5-4で勝った。
応援しに来てた人もたくさんいて、盛り上がっていて、純粋に嬉しい。

 

母校のことなので、監督のことを知ってるから戦略を少し知っている、
というのもあるが、試合を見ててすごくわかりやすい戦略をとっていた。

・とにかく積極的に行く
・ストライクが来たらどんどん振る
・塁に出たら積極的に走る
・普通の送りバントはしない

http://www.hb-nippon.com/column/437-baseballclub/6935-20111214no49bc

開成野球部が全体練習で行うメニューは、バッティングのみだ。ノックもやらない、実戦形式の練習も全体では行わない。

「高校野球は、どちらかというと守備を鍛えるチームが多いので、相手が一生懸命エネルギーを注いでる守備が、試合でほとんど機能しないような試合展開にしたいんです。そうなると、僕らは破壊力のある打線をつくって、外野の頭をこえる打球をひたすら打つしかないわけです。うちは練習量は少ないですし、守備の練習もやってないけど、バッティングを磨くことで、しっかり練習をしているチームとも互角に渡り合うことができるだろうという考え方ですね」

 

明確でシンプルな戦略。
最高の戦略ではないが、限られたリソースの中で効果を最大に発揮するのは、
こういったシンプルな戦略なんだろう、と感じる。

 

これは、スポーツに限ったことではなく、ビジネスにおいても同じ。
小さいところが大手と同じ戦略を取ってもダメ。
他のものを捨てて、何か一つに特化させる。
それが根拠のある理論に基づいたことであり、
最大の効果が期待できるものだと思わせることが出来ればまとまりも出る。
そんな環境を作ることが出来ると、リソースのない組織でも強くなる。

 


決断を行う回数を少なくさせる

決断を行う回数が多いと脳が疲れる。そんな報告が
こちらのサイト
にてなされている。

 

イスラエル刑務所における仮釈放に関して調査をしたところ、
受刑者が仮釈放されるかどうかに影響を与えていたのは
その決定が行われた時間であるというデータが出た。

 

Prisoners who appeared early in the morning received parole about 70 percent of the time, while those who appeared late in the day were paroled less than 10 percent of the time.

 

どういうことかというと、午前中はまだ脳が疲れていないので、
釈放するという決断をすることが出来る。
しかし、午後になると、脳が決断疲れを起こし、
決断自体をしない方向に動いてしまう。
すなわち、考えなくてもよい方向、仮釈放しないという方向に。

 

この考えを応用すると、仕事をする上で、決断を要する 事項は
午前中に行ったほうがいいと考えられる。
そうするとちゃんと決断することが出来る。

 

また、決断疲れを起こさないようにするために、
あらかじめルールを作っておき、そのルールに従って行動していると
決断回数が少なくなり、決断疲れを起こしにくい。
例えば、朝は毎日ここのコンビニでこれを朝食とする。
昼食はXXとする。
朝は何時に起きて、、、、などなど。
決断を要する日常事項それぞれにルールを作っておくことが、
決断疲れを減らす方法になる。
仕事においてもルール化というのは、そういった決断を行う回数を
少なくさせるという意味で凄く効果がある。

 

考えてみると、世の中には決断を少なくする仕組み、
手助けするツールが数多くある。
今夜どこに飲みに行こうか、そんなときにはぐるなびや食べログなどのサイトがある。
検索で絞っても多数出てくるので、決断の助けとなるクチコミ・評点がついている。
そうすると、決断がうんとしやすくなる。
Smartphoneとか何か欲しい、と思った時には比較サイトがある。
英語を勉強したい、ダイエットをしたいと思ったら、How to 本があり、それ通りにやることもできる。

 

何かの決断を手助けしてくれるツール。
この考え方に着目したい。

 

 


戦略人事のビジョン

戦略人事のビジョン」 八木洋介 著

 戦略人事のビジョン 戦略人事のビジョン

この本、人事の本質がよくわかるいい本であった。
人事は何のためにあるのか、どういう仕事をするべきなのか。
中身が濃い本だ。

 

当たり前のことではあるのだが、人事戦略と経営戦略、
ともに戦略があってつながっていなければいけない。
また、「勝ちの定義」を明確にするということも、
戦略上重要なことである。
当たり前だと思われることであっても、
実際には穴が多く出来ていないことが多い。
しっかりと芯の通ったものにしていく必要があるなと感じる。

 

人事評価についても本文中に書かれている。
興味深かったことが、GEにおける人事評価だ。
評価は、GEの価値観(バリュー)とパフォーマンスの2軸で行う。
それを下記のように9つのブロックに分けて評価する。

20120714 300x216 戦略人事のビジョン

ここでの評価の特徴は、細かい測定項目があるわけではない、ということ。
期待以上か期待通りか、期待以下かを決めるのは主観である。

測定項目で点数化して行う場合、客観的ではあるかもしれないが、
会社にどのような貢献をしているかという全体観を見過ごすことになる。
また、強みと弱みで打ち消しあってしまう場合、主観なら高い評価の人が
点数化すると低い評価になってしまうことがある。

一見すると、こんなに単純なのか、と思ってしまうが、
このシンプルな仕組みになっていることこそが、
うまくいく要因の一つなのだと感じる。

 
この本の著者の八木氏とマーサージャパンの古森社長の対談も、
とても興味深く面白いのでオススメです。
http://www.mercer.co.jp/referencecontent.htm?idContent=1358780

言葉になったことに「ウソがない」ということですかね。あるいは、「ウソと感じられる状態」を作らないということ。人間は、ウソを感じるとやる気がなくなるものです。しかしGEでは、経営として目指しているもの、イニシアティヴとして掲げるものは、本当に信じてよい。


ストーリーを持ち、一貫しておこなうことの重要性

今月から、組織内における自分の役割が変わった。
その中でより重要になってきていると感じることは、
しっかりとしたストーリーを持っていること。
そして、それを一貫して行っていくこと。

 

しっかりとしたストーリーを持っていると何がよいか。
先のことを見ているため話がわかりやすく、伝わりやすくなる。
これは論理力で相手を説得するというものではなく、
ストーリーとして成り立っているのですっと入るものである。

 

そのストーリーがよいかどうかで、先のことも変わってくるし、
動き方も変わってくる。
簡単なように見えて難しい。

 

一方でもう少し視点を落とし、
仕事を行う上での指針というのも重要だ。
事業上、重要な考え方としては、7つの習慣と仮説検証があげられる。
7つの習慣では、主体性を重視し他責にしないことなど考え方としてとても重要なこと。
仮説検証は、良い仕組みを作っていく上でとても大切。

仮説⇒検証⇒仕組化

このプロセスは良い仕事を作っていく上でもっとも重要なことの一つ。

 

日常業務で大切にしておくべきだなと私が考えることとして
以下のような10項目をあげている。
状況に応じていくつか変わっていくのだが。

1. 説明責任を果たすこと
2. 自分の出した成果をきちんと示すこと
3. 朝出社すること
4. 選択と集中を行い、手を広げないこと
5. 失敗から学ぶこと
6. サービス作りでは細部にこだわること
7. 自己管理をしっかりすること
8. 他人には負けないプロフェッショナル領域を持つこと
9. 常に上位者の視点、視野を持つこと
10. 極力シンプルにすること

 

このようなことから一つずつ、可視化出来ることを可視化し、
適切なストーリーを作り上げ、
ストーリーとして語っていくことが重要だ。

 

 


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