英語だけできる残念な人々



英語だけできる残念な人々』 宋文州 著
 英語だけできる残念な人々

 

宋さんらしい、辛辣なタイトルの本。中身も宋さんらしく、直接的な表現が多い。だが、書かれている内容はとてもまともな内容。

 

本書の冒頭、第一章の最初がこれ。

「なぜフィリピン人は英語が話せるのにグローバル化していないのか?」

ぐっと興味をひかれる内容だ。

 

フィリピン人は世界各地で働いてはいるのだが、フィリピン企業で世界的に展開している大企業がないのは事実。その他にも英語が出来てもグローバル化していない国はある。パキスタンやバングラディッシュも。ただ、それは至極当然な話でもある。

 

英語は国際化のためのツールであって、それだけできればいいということではないからだ。

 

こういうタイトルの付け方は、マイクロソフト元社長成毛眞さんの著書
日本人の9割に英語はいらない
に共通するところがあるなと思う。内容も共通するところがある。

 

英語が出来るようになるためには、動機が必要だと書かれている。これ、まさにその通りだ。いかにして動機を作れるか、これが英語上達のための最重要ポイントと言っても過言ではない。仕事で必要だから、海外で生活してて生きるために必要だから、昇進するために必要だから、恋人を作るために必要だから、純粋に学習が好きだから、楽しくてしょうがないから。続けられる動機を作り出すことが必要。レアジョブはそんな続けられる仕組みを必死に考え、提供している。

 

本書のテーマは、グローバル化について。宋さんは、グローバルスタンダードというものはなくて、アメリカではアメリカで通用する方法、中国では中国で通用する方法、ベトナムではベトナムで通用する方法でビジネスをし、それらを積み重ねていったら結果的になっているのがグローバル化、と定義している。グローバル化は徹底したローカル化の積み重ねだという。

 

とても納得感のある定義だ。その定義にのっとって考えていくと、次のようなことが考えられていく。

・グローバル化には時間がかかる
・現地のトップは日本人でいい
・海外を売上の柱にしようというのは間違い
・相手は自分と違うことが大前提
・違うからこそ交渉で妥協点を見つける
・相手の国をバカにしたら絶対にグローバル化はうまくいかない
・理屈と感情を切り離す
・感情のつながりを軽視しない
・他者に対してオープンな意識を持つ人材であることが大切

共感できる部分も多数あり、なかなか面白くて為になる本だった。グローバル化に関して興味ある人にとっては面白い一冊ではないだろうか。

 





  1. 私なら「英語さえ話せない残念な人々」にしますね。国際ビジネス語をひとつだけあげれば英語でしょう。ビジネスの世界では英語がLingua francaであり、デファクトスタンダードです。どこの国と取引するにしてもすべての書類は英語で書かれています、普段のメールも英語で書かれます。国際ビジネスで活躍しようとすれば、とりあえずは英語が必須です。もちろん英語が使えるだけでは必要十分ではありません。

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