最年少上場社長リブセンスの本を読んで
今絶好調で伸びている会社リブセンスの本を読んだ。2011年12月に史上最年少で東証マザーズに上場。そして、つい先日も上場市場を東証一部か二部に変更すると発表。財務諸表を見ると、原価率が12%と低く、営業利益率が55%もあり、その高さに驚かされる。そんな注目企業の本だ。需要と供給をちゃんと両方用意しなければいけない、というビジネスモデルをしっかりと両者伸ばすことができたというのがポイントになる。
『リブセンス<生きる意味> 25歳の最年少上場社長 村上太一の人を幸せにする仕事』
社長の25年間が著者上阪氏のインタビューなどにより他者視点で書かれている本。「顧客の幸せ」を考えてビジネスを行う、というのを企業理念としてやってきているという。だから、採用祝い金を出してユーザに還元し、広告主も採用ベースでの成功報酬とすることでWin-Winの関係を築いている。ストーリーとしてうまく作られている。広告主への成功報酬という点だけで言えば、2006年頃にそんなことに近いことを少し考えてたなぁと懐かしくなった。
村上社長は、大学1年時に創業し、大学の単位も取得しつつしっかりと4年で卒業している。大学のベンチャー起業家養成基礎講座のコンテストで優勝することによってオフィスを得て、勢いをつけている。彼らにとって大学に通って卒業するということはどれくらいのメリットがあったんだろうか。フィリピンでは大学の専攻や学歴を重視する雰囲気がある。プログラマーなら、コンピューターサイエンス専攻卒業していないとダメだとか、大学時代成績がもう一歩だったからダメだとか、専門を学びたいから大学院に行くとか。どこで学んだか、トレーニングを受けたかはさほど重要ではなく、自分のスキルとして何を持っていて何をどう伸ばしてきて、どう活用することができるのか。それをしっかり考えることができる、仕事の上ではそれが大事だと感じる。
本を読んでいて思うが、村上社長には一時代前に騒がれていたIT社長のような華やかさは全くなく、いたってマジメである。ITバブルな時代ではなく、しっかりとやらないとうまくいかない時代。だからそういう人材が多くなっているのじゃないだろうか。どっかで売上が伸びなくなったりする苦しい時期もくるだろうが、どうやって乗り越えていくのか楽しみな企業だ。