戦略人事のビジョン
「戦略人事のビジョン」 八木洋介 著
この本、人事の本質がよくわかるいい本であった。
人事は何のためにあるのか、どういう仕事をするべきなのか。
中身が濃い本だ。
当たり前のことではあるのだが、人事戦略と経営戦略、
ともに戦略があってつながっていなければいけない。
また、「勝ちの定義」を明確にするということも、
戦略上重要なことである。
当たり前だと思われることであっても、
実際には穴が多く出来ていないことが多い。
しっかりと芯の通ったものにしていく必要があるなと感じる。
人事評価についても本文中に書かれている。
興味深かったことが、GEにおける人事評価だ。
評価は、GEの価値観(バリュー)とパフォーマンスの2軸で行う。
それを下記のように9つのブロックに分けて評価する。
ここでの評価の特徴は、細かい測定項目があるわけではない、ということ。
期待以上か期待通りか、期待以下かを決めるのは主観である。
測定項目で点数化して行う場合、客観的ではあるかもしれないが、
会社にどのような貢献をしているかという全体観を見過ごすことになる。
また、強みと弱みで打ち消しあってしまう場合、主観なら高い評価の人が
点数化すると低い評価になってしまうことがある。
一見すると、こんなに単純なのか、と思ってしまうが、
このシンプルな仕組みになっていることこそが、
うまくいく要因の一つなのだと感じる。
この本の著者の八木氏とマーサージャパンの古森社長の対談も、
とても興味深く面白いのでオススメです。
http://www.mercer.co.jp/referencecontent.htm?idContent=1358780
言葉になったことに「ウソがない」ということですかね。あるいは、「ウソと感じられる状態」を作らないということ。人間は、ウソを感じるとやる気がなくなるものです。しかしGEでは、経営として目指しているもの、イニシアティヴとして掲げるものは、本当に信じてよい。
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