仕事で使える英語力を測定するテスト TOEIC SW



ビジネスで使う英語力測定に適したTOEIC SW、このスピーキングテストはどういうものなのかをここでは解説したいと思います。

 

TOEICでは仕事に必要な英語力が測れない?!

一般的に、TOEICというと、試験会場に集まってマークシートを塗りつぶしていく、あのリスニングとリーディングのテストを思い浮かべるでしょう。多くの人が受験していて、昨年は230万人の人が受験した。すごい数だ。社内の昇進条件になっているところも多く、その力は大きい。しかし、TOEICで高得点を取っているからといって、必ずしも仕事で英語が使えるわけではない。最近の産経新聞の記事にもそんなことが載っている。

 

なぜ、TOEICで高得点であっても、仕事で英語が使えないことがあるのか。それは、Listening と Readingだけで、Speaking と Writing がないからだ。 実際の仕事では、Speaking ができないとうまく進まないことが多い。だから、Speaking が出来るのかどうか、これを測定する必要性が高まってきて生まれたものがTOEIC SW (Speaking / Writing) だ。

 

TOEIC SW はこんなテスト

TOEIC SWは、アメリカのETSによって開発されている。話す力を見るスピーキングテスト6部構成で11問(20分)、書く力を見るライティングテスト3部構成で8問(60分)の2つで構成される。テストは試験会場にてPCを用いて行われる。スピーキングテストはヘッドセットを利用し、回答が録音されていく形式。採点はそれぞれ200点満点の計400点満点。これとは別に、発音、および、イントネーション・アクセントがそれぞれ3段階にて評価される。

 

テストの構成は以下のようになっている。

スピーキングテスト

内容 問題数 解答時間 課題概要
音読問題 2問 45秒 短い英文を音読する
写真描写問題 1問 45秒 写真を見て内容を説明する
応答問題 3問 15秒または30秒 簡単な設問に即座に答える
提示された情報に基づく応答問題 3問 15秒または30秒 提示された文書に基づいて質問に答える
解決策を提案する問題 1問 60秒 メッセージを聞き、内容を確認した上で解決策を提案する
意見を述べる問題 1問 60秒 あるテーマについて自分の意見とその理由を述べる

 

ライティングテスト

内容 問題数 解答時間 課題概要
写真描写問題 5問 8分 与えられた2つの語句を使って写真に合う内容の一文を作成する
Eメール作成問題 2問 各問10分 与えられたEメールに対する返信のメールを書く
意見を記述する問題 1問 30分 提示されたテーマについて自分の意見を記述する

 

採点はこうなっている

気になる採点はどうなっているのか。

 

スピーキングテストでは、ネイティブスピーカーやノンネイティブスピーカーに理解しやすい言葉で話されているかどうか。仕事上必要なやり取りをするために適切な言葉を選択して使うことができるかどうか。筋道の通った継続的なやり取りができるかどうか。この3つが問われている。日本の学校で習ってきた○か×かの文法ではない。ここが仕事で必要な英語力を測定するためのテストとして適している理由だ。

 

ライティングテストでは、平易な文でも複雑な文でも適切な語句を使用し文法的に正しい文を作成できるか。簡単な情報などを伝えるために複数の文で構成される文章を作成することができるか。状況に応じて、理由、説明などを述べながら複数の段落から構成される文章を作成することができるか。この3つが問われる。

 

このような正解が多数あるものについては、採点の粒度を等しくしなければならないため、採点が難しくなる。ここは、採点者の教育、および、複数の人が採点を行うことによって結果の一貫性を担保している。

 

何点くらい取ればいいの?

さて、受験者として気になるのは、何点くらい取ればいいのか?ということ。2013年3月10日に行われたTOEIC SWの平均点を紹介したい。

Speaking : 117.2点
Writing : 132.8点

Writingのほうが高く出ている。スピーキングのトレーニングが少なかった日本人らしい傾向かもしれない。

 

では、何点くらい取っていれば仕事上問題ないといえるのか。自分が受験した経験も含めて考えると、だいたいスピーキングテストで150点取れていれば、英語での部下のマネジメントなども含め、仕事上ほぼ支障はないと言えるんではないだろうか。120点以上あれば、海外駐在としてやっていけるんではないかなと思う。そういう観点から、まずはベースとしてスピーキングテスト120点、次が150点、その上が180点、そんな三段階を目標として設定すればよいのではないだろうか。

 
 

さて、次の記事以降ではTOEIC SWの各問題を解説していきたいと思います。

 

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