起業のエクイティ・ファイナンス
『起業のエクイティ・ファイナンス—経済革命のための株式と契約』 磯崎 哲也 著
起業して出資を受けながら会社をがんがん成長させていきたい、って思う人は読んだほうがいい本だ。特に前半部分だけでもいいから読んでみたほうがいい。後半は実務的な部分が多いので、そこは参考書程度にとらえておくとちょうど良い。
最初は、ベンチャー生態系の話。続いて創業初期の資本政策について。VCの役割は創業者間契約など創業者同士では言いにくいことをきちんと外部から指摘していくこと、なんて実践的なことも書かれている。
第二章では、シードラウンドの投資契約について書かれていて、実際に投資を受ける人は読んでおいて損はないだろう。
第三章では、優先株式について。ここからだんだん難しくなってくる。ひとまずは優先株式とは何なのかを理解しておいたほうがよい。知ってるのか、知らないのか、だけで打ち手の幅が変わるから。二回目の出資を受けたときに、一度だけメディアから普通株、それとも優先株?という質問を受けたことはあるが、それ以外には記憶にない。ちなみにその際は優先株式というものについての理解は曖昧だった。。。この章を読んで優先株式についての理解が深まった。
第四章以降、みなし優先株式、乙種普通株式、MBO、dual class、等と続いていく。ここらへんはかなり専門的なので、実際にすぐ必要になりそうな人以外は必要になったときの参考書程度と思えばいいだろう。
スタートアップをやる人にとっては、実務にも直結して役立つ本。契約書の雛形もあって、とても参考になる。