コンセプトのつくりかた
コンセプトのつくりかた 玉樹 真一郎著
Wii のコンセプトを作った人が書いた本である。コンセプトを作り上げるためには、どのような方法で作っていけばよいのか。そして、何に気をつけていくと作っていくことができるのか。そんなことが書かれている本である。
まず、コンセプトとは何か。コンセプトは以下のようなものである。
コンセプトは、
・ものづくりの一部
・世界を良くする方法
・あなたがしあわせに生きられる方法
・母国語を用いた文字20字程度の言葉
・未知の良さに形を与えたもの
・ビジョンの集合体から生み出される
・アイテムの集合体によって伝えられる
・何を用いて、何をしたいか
この中でも、「未知の良さ」というのがポイントの一つになる。性能が良くなったとかは、既知の良さ。未知の良さはまだ世の中の人が気づいていない良さのこと。だから、そのビジョンを語っても否定されることが多い。でもそんな否定される多数のビジョンを集めることはコンセプトへの近道になっていくのである。
さて、ものづくりにおいては、4つの原理がある。
「すきになる」
生きるあなた 未知の困難を極める冒険を薦めるための原動力
「かわる」
コンセプトワークするあなた 未知という存在を認められるよう、変化する勇気を持つ
「わかる」
プレゼンするあなた コンセプトが世界を良くする方法であり、皆が幸せになる方法だとわかってもらう
「できる」
プロジェクトを行うあなた コンセプトを信じ、知恵を出し続けて良いものをアウトプットする
この4つが揃うと、良いものに近づいていく。あとは苦しいけれども信じて行っていく。どうやっていけばいいのか、具体的にはどんな感じになるのかについては、
「ゲーム人口の拡大を新しい据置型ゲーム機の開発によって達成せよ」
という例をもとに、
「お母さんに嫌われないゲーム機」
というコンセプトが出てくるまでを本書では示している。
あるミッションを達成するためのコンセプトワークを成功させるための参考になる本だ。