マニラのとんかつ屋YABUはなぜ繁盛しているのか
マニラのとんかつ屋と言えば『YABU』 だが、先日2号店のあるRobinsons Magnolia に行ってきた。こちらも1号店のMega Mall 同様繁盛している。そして、やっぱりYABUのとんかつはおいしい。日本と同じような味がする。2号店でも同じ味だった。定番のロースカツ定食は120gで355peso(約710円)だ。黒豚を使用したプレミアムトンカツだと120gで575peso(約1150円)だ。トンカツとしては日本より安い値段で、現地の食事としてはファーストフードなどに比べると高いが、モールのレストランとしては中程度。カツカレーとかもあるが、カレーはあまりフィリピンでは普及していないためか、頼んでいる人は少ない。
さて、このトンカツ屋YABU、メニューを見ると写真がある。この方がYABUのトンカツを監修している武田和也さん。日本ではどんな味なのか、それを知りたくなり調べてみると、代々木上原にあるとんかつ屋武信の料理長だ。早速行ってみた。
代々木上原駅から徒歩2,3分のところにあるおしゃれなお店。 ロースカツ膳120g 1570円。さすが、おいしい。フィリピンとの明らかな違いは味噌汁の味噌、レモンがついているか、お漬物があるかフルーツがあるのか、ごまをするのか、など。店には、26日~28日、MOAの出店のためお休みしますとの張り紙が。
ちょうど料理長の武田和也さんがいらっしゃったので、お話を伺ったところ、すでに十数店舗の拡大計画が進んでいるそうだ。MOA に続いて SM Northにも出来るそうだ。SM系と組んでやっているからだとか。ちなみに、YABU、オーナーは武田さんではなく、武田さんは料理の監修を行っている立場だそうだ。調べてみたところ、オーナーはフィリピンで既にビジネスの実績をあげているJohn Conception氏。
http://business.inquirer.net/34463/john-concepcion-turns-japanese
1年ちょっとでMOAに3店舗目を出店し、すでに十数店舗を展開予定というスピード感。 これを成し遂げているのは、日本の料理技術とフィリピンのビジネス技術がうまく組み合わさっているからなのだろう。フィリピンで成功しているフィリピンオーナーと日本の技術を持っているものがタッグを組んで成功しているとても良い例だ。
現地オーナーなので、現地のことがわかっている。だから、トンカツがフィリピンの人の揚げ物好きにマッチするという感覚があり、かつ、SM系とのパイプがあるためにきちんと優れた場所に出店することが出来る。もちろんビジネスノウハウはあり、スタッフのマネジメントなどが出来る。なおかつ、1店舗目がうまくいったら、どんどん他のSMに出店していくことが出来る。日本人だけだったら、そんなことはなかなかできない。うまく現地の人と組んでやることによって、急拡大することが出来て、日本のモノ・味をそのまま持ってきて広めていくことが出来る、そんな好例だ。