和僑アジア大会 in シンガポール 2012 に参加してきました
11月23日、24日、日本では勤労感謝の日で休みの金曜日と土曜日、シンガポールにて和僑アジア大会が開催されました。この大会は、海外で活躍する日本人で作る和僑会が主催している。日本人が海外進出すること、海外で起業すること、さらには海外で活躍して日本に帰ってくることをテーマにして様々な講演が行われた。参加者は、現地シンガポールの企業の方、各国の和僑会の方、日本から参加した海外進出を考えている企業の方、海外で働きたいと考えている人たちが参加していた。ありがたいことに、私も2日目に分科会にてフィリピン留学本の著者であるサムライバックパッカー太田英基さんと対談で登壇するという機会を与えていただいた。
1日目最初のセッションはシンガポールという国でビジネスをするときに参考になる話しだった。シンガポールに富裕層が集まっているという事例を中心に、企業も多く集まっている理由をあげていた。税率が低く、法人税は最大17%、その他優遇措置があるためベンチャー企業などは実質的にさらに低い。日本の40%とはかなりの差がある。また、所得税も低いので、同じ額面給与でも手取りがかなり変わってくる。税金が10%違うなら、年収1,000万円の人で手取りが100万円違うことになる。さらに治安がよく、教育水準、医療水準は高い。結果、富裕層が多数集まっている。欠点は、狭い国ゆえに不動産が高いことと、車が高いこと。ただし、タクシーが安いので問題にはならない。
3つ目のセッションでは、人、モノ、カネがシンガポールに集まっているという話。シンガポールはアジアのハブになっていて、アジアの本社はシンガポールに置いている企業が多いという話だった。
4つ目のセッションは、経営コンサルタントの野田 宜成さん。話が面白く、引き込まれる。色々な人を見て、海外で成功し続けている人は、愛国心が強い人だという。なるほど、そういう観点かと思うが、その通りかもしれない。
1日目が終わり、シンガポールという国がアジアをマーケットとして展開する企業にとってはとても良い条件であると感じた。実際に、シンガポールの街を歩いていて、活気を感じるし、近代的で凄い施設も多い。数値上で日本の上を行くだけでなく、感覚的にも日本の上をいっているということが感じられた。
2日目の基調講演、トップバッターは加藤順彦さん。話に勢いがある方で、様々な企業に投資し、それらの企業はシンガポールを本社にしている。さて、加藤さんの話で出てきた質問にこういうものがあった。「海外での起業で成功した日本人をひとり挙げてください」 多くの人には、これに対して答えることが出来ない。スポーツのようにイチローとか超有名どころがいないからだろう。だから、こういうロールモデルを排出させたい、そうするとそれをマネる人が出てきてくれる。
加藤さんは、講話の中で、自身の起業体験を振り返り、「成長する市場、成長の波に乗って、コミットする」 これで、ちょっとしたことしかわかってない人でも出来る、と語っていた。ちょうどこれは、今の自分たちの境遇にも言えること。業界を引っ張る立場として、リーダーになってルールを作っていく必要がでてくるだろう。
昼食前に、4者共同宣言というものがあった。アジア経営者連合会、日本ニュービジネス協議会連合会、日本商工会議所青年部、和僑会による共同宣言。このときの日本商工会議所青年部の方もスピーチをした。この写真で手前左から3番目のひときわ背が高くて体格が良い人。190cmくらいの長身で100kgくらいと思われるがっちりとした体格、リーゼントできらっと光るメガネ。スピーチの最後、「アジアでビジネスをすれば、色々と不条理なこともありましょう。そんな際は我々にご連絡ください、馳せ参じます」というようなことを低い声で締めくくった。印象に残る。
午後は、トップバッターで太田さんとの対談をさせていただいた。この様子は次のブログで記載したいと思う。会場を温めた後は、アルビレックス新潟シンガポールの方の講演があった。この時初めて知ったのだが、アルビレックス新潟は、シンガポールのサッカーリーグにもチームを持ち、選手を派遣したりしているのだという。スポーツ選手がシンガポールに出て修行し、また日本に帰ってくる。あるいはヨーロッパなどに出ていく。日本企業の海外進出と同じような形でスポーツチームも海外進出する。とても面白い例だと思った。
4つ目のセッションは、「朝60分で部下が変わる」という本をこの記事で紹介しましたが、その著者である嶋津 良智さんが登壇。上司学についての話し。思考・体験・行動・徹底・傾聴・フォローが大事で、これを淡々と愚直に繰り返すのが重要であるという。上司は淡々とやるのだから、モチベーションという言葉はいらない、という考え方。この方、シンガポールに住んでいるのだが、英語は話せないという。英語は話せなくても大丈夫、通訳つければいいし、それよりコミュニケーションが大事と言っていた。ちょっとこの考え方には納得できなかった、、、コミュニケーションが大事なのはそうだが、それと同時にやればできるのだからツールとしての英語を身につけるのも大事。
最後のセッションは、海外で活躍する建築家。情熱大陸でも取り上げられたことのある方。北京で色んな建築を行い、写真を見ているだけでも絵になるなーと感じる。センスがあるだけでなく、論理的思考も持ち合わせていて、土木やITなど様々の要素を建築と組み合わせている。かっこいい。
海外で活躍している様々な人の話を聞いて、多くの刺激を受けた。また、結構高い参加料金(45,000円)を払って日本からシンガポールにまで来てる人は、ある意味変わった人なので、そんな人から受ける刺激も大きい。環境が一番ものごとを変える要因になると言うが、そのような環境を用意できているのがこの会だと感じた。
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